先日、ブダペストの楽譜屋さんをハシゴして楽譜を買い込んできたので、そのお話です?
ブダペストの楽譜屋さん事情
日本では長野でも東京でもYAMAHA系列のお店などに行けば棚に楽譜がたくさん並んでいて、そこから選んで買ったり、もしくはAmazonや笹谷書店を利用したり、様々な手段で気軽に楽譜を買うことができます。
さて日本と比べて、ブダペストではどんな感じなのかといいますと、
・楽譜屋さんが少ない!
・新品がない?
・手にとれない!
・Amazonはハンガリーにない!
というような感じでして、ブダペストに来たばかりの頃は心底困っていました。
じゃあどうしてるのさ
はい、そんな「ないないない」とネガティブキャンペーンのごとく欠点を挙げ連ねましたが、日本のような便利な楽譜屋さんがないというだけで、楽譜屋さんはありますし、アンティーク書店のようなところなどにも楽譜が売られています。
無い物ねだりをしてもしょうがないのです。
生活環境の中で適したものを探す、それこそ強く生きる術なのであります!笑
新品?中古?
新品がない?という話ですが、そもそも新品、という概念がハンガリーでは少し違うような気もしています。
日本で暮らしていると『新品=未開封、折れ目なし、超綺麗』のような状態で、実際僕は今でも新品といえばそういうものをイメージします。がしかし、なんせ日本と比べたら仕事の緻密さというか丁寧さが限りなく雑なヨーロッパ人による在庫管理です。いつからあるん?というような古びた”新品”や、きれいだけどなんか端ヨレてません?というようなものであり触れています。笑
古びた、といっても別に書き込みだらけのしわくちゃ楽譜しか買えないわけではありません。
いうなれば『図書館でずっと取り扱われていて、それ自体はとても綺麗な状態なんだけれども、時代を感じさせる感じ』の楽譜達によく出会うと、それだけです。版の更新による新旧はあれど、中身自体に困ることはない、はずです。
まぁ、とは言っても、気分的にはきれいなものを使いたいなぁと思っちゃいますけどねぇ笑
そんな人に通販
と、そんな見た目をこだわりたい人は通販をすればいいのです。
Amazonがない、というのはハンガリーに倉庫や発送所がないというだけで、ヨーロッパ諸国にはあります。ヨーロッパ間の個人輸入のような形となりますが、ハンガリーではイギリスのAmazon、Amazon.ukで買い物をすることができます。
(ちなみにjpとはアカウントは全く別ですが、jp以外では同じアカウントでログインできます!)
もしくは出版社のオンラインショップを使う手段も大いにアリです。
ハンガリーではMusicaBudapest、いわゆるブダペスト版が大変安価に手に入りますし、古典作品ではまず間違いないヘンレー版や近現代のマニアックな楽譜を扱っているイメージのあるユニバーサル版など(つまりヨーロッパの出版社のもの)も日本で買うよりもかなりお得に買うことができます。これは通販に限った話ではありませんが。
ちなみに以前一度だけAmazonで楽譜を買った時はこんなふうに届きました。
閑話休題
さて本題の買い込んだ楽譜たちですが、こちら。
これだけで誰の何の曲か分かる人はなかなかマニアック!
左からガーシュウィンのピアノ協奏曲、グリーグのピアノ協奏曲、シューマンの謝肉祭とクライスレリアーナ、スティーブ・ライヒのピアノフェイズ、そしてラフマニノフの曲集です。
ちなみにガーシュウィンのコンチェルトのヘンレー版は最近出たばかりで、あるとは思ってもいなかったんですがたまたまグリーグを探している途中に見つけてしまって!!!!!と小躍りしながら「それも!!」と店員さんに叫んで驚かせたという小噺があるとかないとか
あとピアノフェイズに関しては、相当マニアックな話です。
音楽ジャンルの一つに「ミニマルミュージック」というものがあります。短い決まったリズムや音形を何度も繰り返していく作曲手段で、その過程で音が増えたり減ったりすると不思議なことに聞こえてくるものの形が変わってくるという作品たちのことをいいます。
このスティーブ・ライヒの「ピアノ・フェイズ」という作品はそんなミニマルミュージック界で最も有名な(とはいってもマニアックな世界ですが)作品のひとつではないでしょうか。
2台のピアノで12の音を永遠に同時に繰り返すだけ、しかし片方のピアノパートのみ一定の回数毎に少し先を行って1音ずつずらしていく、とそんな曲です。
これは本当に面白い曲で、え?あ、今はそれはおいとけって?そうですね、本題は楽譜ですもんね。んじゃその話はまたいつか。
楽譜屋さんその1 -Rózsavölgyi-
さてさて、今回は2軒の楽譜屋さんをハシゴしたと書きましたが、その1軒目。
こちらは留学開始直後からお世話になっている老舗楽譜店、Rózsavölgyi (ロージャヴルジー)です。
入り口を入るとすぐ音楽に関係しないものも含めた本が並び、そのすぐ右手にはレジ。奥に進むと楽譜売り場、CD売り場となっています。上はまだ行ったことはありませんが、チケットセンターやカフェになっているそうです。
ここは古い楽譜も新しい楽譜もたくさん扱っている音楽家には大変嬉しいお店。ただし、日本のように自分で棚を物色して楽譜を選ぶ、ということはほとんどできません。
基本的にはこの階段下にいる店員さんい「誰々の何の楽譜を探してるんですけども〜」と伝えて後ろの棚から探してもらう、というシステムです。
(▼奥に行くとCD売り場)
Rózsavölgyi és Társa Zeneműbolt
Address: Budapest, Szervita tér 5, 1052
楽譜屋さんその2 -Kodály Zoltán Zeneműbolt-
そして2軒の楽譜屋さん。こちらは僕も初めて訪れるお店でした。
Kodály Zoltán Zeneműbolt, Antikvárium és Hangszerbolt(コダーイ・ゾルタン音楽・アンティーク・楽器店)です。
こちらは外見はほとんど工事中のような感じで見つけるのが分かりにくいのですが、入ってみると意外に広い。
そして最大の特徴は自分で手にとって楽譜を選べること!!
このように扉付きの棚から自分の探している楽譜を見つけます。が、なかなか見つかりません。いつの楽譜!?のようなものから新しい楽譜までごちゃ混ぜで置かれています。宝探しのような感覚です。
あとこのハシゴにのって本を取るというのも、なんだか異世界感(?)があってワクワクしますよね!
棚にはこんな感じで作曲家毎や作品名毎にまとめられた札があります。
これはショパンの作品のうち頭文字がM〜Pのもの、ということですね。
はい、手書きなので、読めなくて誰だかわからないとか、探したいものがどう整理されているのかわからない、とかは発生します。
ちなみに、今回買った楽譜のうち、シューマン2冊とラフマニノフ、そしてピアノフェイズの楽譜はここで手に入れました!
さらに、レジに持っていくと、「ここで勉強しているの?リスト音楽院?」とハンガリー語で聞かれ、肯定すると何やらパソコンを操作…
レシートと楽譜に貼られた値札を見比べると、どうやら0.7%ほどの値引きをしてくれたようでした!うわーーーい!!
Kodály Zoltán Zeneműbolt, Antikvárium és Hangszerbolt
Address: 1053 Budapest, Múzeum krt. 2
総額は・・・
音楽を学んでいる方は、これだけヘンレー版やらBoosey&Howks版やらを買ったらおいくら万円になってしまいますの!?と悲鳴を上げる方もいらっしゃることと思いますが、さて、今回のお買い物、そう楽譜は・・・・
33405フォリント!
日本円で約11600円!
はい、これがどれくらい安いかといいますと、
(いや別にこの記事で語りたいのは安さではないのだけれど)
日本のヤマハonline shopなどで同じ楽譜を買うとするとだいたい23000円なので、半額ですね!?おお・・・
というわけで
今回はブダペストで楽譜を買うのはどうしているのか、という内容でした。
あとは本当に古いものであふれたアンティークショップや青空市場のようなところで、掘り出し物ののレアな楽譜(今や手に入らない版など)が手に入ることもあるそうです。マニアはそういったものを狙っているとか・・・
そんなこんなで、久々の(?)音楽ネタでした!
・・・音楽留学ブログなんだけどな。笑
それではみなさん、Sziasztok!!